老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

器の大きさ

今回のブログは、この話
喪失と孤独 - 老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音) (hatenablog.com)
prodigykerokero.hatenablog.com

「喪失と孤独」の続きです。

こんな時だから、「批判も批評もしないで欲しい」と言ったのに、それなのに・・・

「なんだこれは。すげー散らかってるな」
これが第一声だった。

私は張りつめていた気持ちが一瞬緩んで、
彼の顔を見たとたんに、声を出して泣き出してしまったのに…

これが突然、離れて住む両親が同時に倒れてしまい、
母は数日後に確実に死ぬ、父は意識が戻らないという一人っ子に、
最初に会って投げかける言葉だろうか。

あとで知ったのだが、
モラハラ傾向にある人というのは、
相手が感情を
いつもより激しく表すと虐めたくなるらしい。

相手が激しく感情を見せたことで、
相手の限界がわかったと勘違いして、
相手を支配できると思い、モラハラをするらしい。

この時は、この第一声の恐ろしさに、まだ気づく余裕はなかった。

今振り返ると、
相手と同じように感じる、
つまり「私もあなたと同じように感じる」同感は難しいが、

「あなたは・・・・なんですね」という共感は、
同感よりも出来る確率は高いと思う。

ただし、想像力、理解力、思いやり、があるかどうか。

これらが欠けると共感はしにくくなるのではないかと。
また、ある種の大人の発達障害を抱えた人も、これが出来ないらしい。

共感力は、寛容さや包容力にも繋がることではないか。

「人間の器が大きい」ということだと経験上は強く感じる。

こんな時期に、
悲しすぎて、先が見えずに気が動転しているときに、
「器の小さい」であろう人間に適切に対処するために、
思考の幅を広げる事は無理な話であった。

やらねばならぬことが、
頭の中から今にもこぼれ出すかのように、
私に襲い掛かってくるのを受け止めるだけで精一杯だったからである。