老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

驚愕の深夜救急

この日は私の誕生日でした。
でもお祝いムードなんて勿論ありません。
明日、とりあえず私の住むB市に戻って、しばらく仕事を休めるようにしないと・・・
などと考えながらお風呂に入る支度をしていた私。

すると・・・

「莉音、莉音、来て、来て、心臓が苦しい!」
母が電話台の前で心臓を押さえて倒れている。

えっ!時が停まるとはこのこと。
えっ?えっ!えっ?

固定電話で119を押す。
住所、途中までしか言えない。母がうめくような声で私に住所を伝える・・・
これが最後の母の声でした。

救急隊が来て布団の上にAEDを広げる。
心臓は止まっていたということだと後で知りました。

「病院に行くから支度して」救急隊の声に我に返る。
母がいつも持っている小さな手提げを抱える。携帯と保険証はここにあるはず。

「どこの病院に運びますか?」
「父がS病院に入院しているので同じ病院にお願いします」
人口が増えてしまい病床が不足している地域だったがS病院で受け入れて貰えて
本当によかった。

救急外来の椅子に座り、母のボランティア仲間のOさんに電話する。
母の携帯から名前を見つけて。

「え!今のお母さん?救急車の音が聞こえたから。すぐに行くわね」
ご近所にお住まいなのだ。

深夜にも関わらずタクシーで駆けつけてくれたOさん。
しばらくすると医師のいる部屋に呼ばれる。

「救急外来の医師の○○と申します」医師から挨拶があり説明が始まる。