老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

不安と選択の間

「お父さんがマンションの入口でバタッと倒れたの」
A市に住む母からの連絡。
「今回は様子がおかしいからすぐに来て」
私が住むB市から、翌朝一番の電車で駆けつけて昼前にA市の病院に到着。

母は前の晩、夕方から深夜までこの病院の救急外来の控室に居た、たった独りで。82歳。
夕食もとっていない様子の母を心配して看護師さんが
「何か召し上がったほうがいいですよ。私と一緒に院内のコンビニに参りましょう」と声を掛けてくださったと。
そこで買ったサンドイッチをつまんだと話していた。看護師さんの気配りに感謝。

私が病院に着いたのは、その翌日の事なので母も非常に疲れていた。
入院の正式な手続きは私が。父の意識は戻らない。
3日後、父が救急病棟から脳外科の病棟に移る事に。
峠は越えたようだが、父の意識は戻らない。ずっと目をつぶっている。

両親が住んでいたマンションに母と帰宅。
母は「負けないぞ、がんばるぞ」と自分自身を鼓舞させていた。
その姿と、病院近くのドラッグストアで買い物して出てきた私を待っていた母のやせ細った姿が今も目に焼き付いて離れない。
ちょっと長い買い物なんかして母を待たせないで、直ぐに帰宅すればよかった・・・
母も疲れていただろうに、ごめんね。

私は、仕事の都合で一旦B市に翌日戻る事にしていた。

この先どうなるのだろう・・・不安を通り越すと、思考が停止するのだ。
とりあえず、一旦戻り、看病のために仕事を辞めてくるなどの手続きが必要だと思っていた。
夜の10時過ぎ、私はお風呂に入ろうとして洗面所にいた。

すると・・・