老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

夜中のお迎え

このブログは「感謝の最期」の続きです。
prodigykerokero.hatenablog.com


もう日付は変わろうとしていた。
長い夜はまだ終わらない。

「なにか着せたい服がありますか?」

3日前に倒れた人に死装束なんて用意する余裕なんかない。
入院患者の着る着衣から着替えさせないとダメらしい。

「館内に浴衣を売っている自販機があるので買ってきてください」
看護師さんに促され、夫に買いに行ってもらう。

母の亡骸に浴衣を着せてもらったあとは、地下の霊安室に案内される。

白衣を着た男、2人組が挨拶に来る。
「私共、○○(葬儀社の名前)と申します。ご遺体はどちらに運びますか?」

えっ?ここで頼んだら、自動的に○○社に葬儀を頼むことになるわけ?
などというやりとりをしたと思う。〇〇社を信用してないわけではないが、
なんだかここで応じてしまうのは怖かった。

「すみません。こちらで手配しますので・・・」というのが精一杯。

小さな〇〇〇という葬儀社の仲介業者に連絡をとる。
ある葬儀社からお迎えの車が来たのは、夜中の3時を過ぎていた。