老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

結局お礼はこうしました

#37 

「この病院の理事長さんと友人が仕事上の繋がりで親しいようです。
これって、幾らか包むべきなんでしょうか?」

「そうねぇ・・・10万くらいは包んだほうがいいかもね」

そうなのか?

季節は師走
カラカラに乾いた夜風を浴びながら
私はひとり、
帰る主はもういないのに、
主の温もりがまだ残っている部屋に
戻るのであった。

母よりは若いが、私よりは人生の大先輩のご意見は
10万ほど包む、であった。

理事長に話を通してくれたEさんにも聞いてみる。

「大丈夫よ、気を使わなくても」
気さくで、全く偉ぶらない先生だからって。

うーん、でもどうしてもお礼の気持ちを表したい。

「だったら、先生の娘さんが医大に合格されたから、
そのお祝いということで、包んだら?」

年が明けて、Eさんと理事長が仕事でご一緒される場所に
同行させてもらった。

「お嬢様が医大に合格されたと伺いました。
おめでとうございます。
これ、お祝いの気持ちです」

父を受け入れてくれたお礼を述べた後に
幾ばくかの金額をお渡しした。

さて、手術の執刀医にお礼をするか?
という議論は昔からあると思う。

母は昔、父が手術した時に
「研究にお役立てください」と言って
執刀医に渡していた。

医師は、医師になってからの勉強が大切だと聞く。
そのための文献や医学書も高いのでは。

謝礼のあるなしで医療の質が変わる事はないとは思う。
しかし、
患者側、患者家族側からすれば、
便宜を図ってくれとまでは言わないが、
もし、必要以上にお手間やご迷惑をかけてしまったら・・・
という心配から
何らかの気持ちを表したくなるものだ。

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