老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

療養病床は儲からない?・1

#58 療養病床は儲からない?・1

胃ろう、気管切開、半身まひ、話は出来ない・・・
寝たきりの父の介護看病をするまで
病院に「種類」があるとは
よくわかっていなかった

配偶者には、私が
急性期の総合病院では父のような患者は
受け入れて貰えない理由も説明したのに

患者を転院させることは、個人交渉では出来ない
病院のソーシャルワーカー同志でないと不可能だと
説明もしたのに

「うちの近所の総合病院じゃだめなのか!
今すぐ電話しろ」と私を脅し
固定電話の番号を押して
呼び出し音が鳴った状態で
私の耳に押し付けた

毎日がヤクザと住んでいるような
地獄のような日々だった


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尊大型ASD気味の男は
相手の立場に立って考える事が出来ないので
こちらの説明も「言い訳」と取り

時に「東大話法」で論点を微妙に逸らして
論破しようとしたり
いちいち強すぎる主張をひっさげて
突っかかってくるからタチが悪い

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こういう、実は精神的に弱い男は
妻や甘えられる人には虚勢を張り、それが
モラハラとなる
(本人に全く自覚無し、また可愛らしい子にはやらない)

一方で、外面は信じられないほどいいので
「あんないい人が?信じられない。あなたに問題があるんじゃない」と
周りには言われて
こちらはカサンドラ症候群に陥る

だから
直接ソーシャルワーカーと話をしたら
態度を「いい人」に一変させるに違いない
特にソーシャルワーカー
ナイスバディで可愛い女性なら一発である

話しが逸れた
父が最初に私の住むB市で入院したX病院
ここは郊外にある古い個人病院だが
整形外科が発祥だったようだ

元々あった古い病院の建物が「療養病床」となっていた
少し離れた場所にある本院は、建物も新しく奇麗
整形外科以外の診療科も現在はある

700キロ離れたA市から介護タクシー
12時間近くかけて搬送された直後は
急性期の患者として本院に入院

2か月ほど経つと
女性のソーシャルワーカー
「○○さん、そろそろこの病棟も長くなってきましたから
分院の療養病床に移りませんか?」と

え?ここに居てはいけないの?
建物も新しいし、看護師さんや職員の対応もいいし・・・

当時は疑問だったが
そういう事だったんですね
ここは急性期の病棟だから
長期間は居られませんよという

急性期の病床を空けておかないと
処置を急ぐ患者の治療が出来ない
助かる命も助かりませんからね

ただ、次に転院したブラックなY病院から
「3が月経ったら個室に」と
入院した後で脅されたのは
ある期間以上入院させたら
診療報酬の点数が下がるので
早く出ていけ!
もしくは、個室代払え
だったのだと思う
(月に50万は流石に払えない)
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ということは
追い出されない病院は
もちろん病院側の厚意もあるとは思うが
社会的な使命としても受け入れていると信じたい

X病院の分院にある療養病床は
どうやら亡くなるまで追い出されないようだった
私は自宅から遠かったのと
面会時間が午後6時までだったので
転院を試みたが

出来ればここでずっとお世話になりたかった

この病院の理事長と友人が親しいおかげで
父を搬送後すぐに受け入れてもらったのだが
この理事長というのがとっても温かい人であった

療養病床に入院していた老夫婦
旦那さんの方が退院することになったのだが・・・

「家に帰っても一人だろうから、
ずっとここにいたらいいですよ」と
この土地の方言で語りかけて
旦那さんの方もずっと病院で奥さんと一緒に
過ごせるように配慮したそうだ

賛否両論あるだろう
ただ時に、正論は虚しかったりもする

そんなとき
共感がまず出来れば良いとは思うが
それが難しい人は確実に周りにも存在する
共感よりも勝手な自分本位の理屈で論破する事が先に来る人が

さて、この老夫婦のケースは
「ご主人は、ご自宅に戻ったら一人ぼっち
お子さんは遠くにいる
かなり高齢なので家事がテキパキと出来る状態ではない
一人暮らしは難しいだろうな
老人ホームは直ぐには入れないだろうし
費用も今以上にかかるだろうし・・・」と

相手の立ち場に立ったうえでの寛容
相手を好きか嫌いに分類せず
まずは「どちらでもない」の箱に入れて
どうしたらいいのか?を考える

正論や「東大話法」で論破するよりも互恵関係
こういうことだろう
理事長からにじみ出る温かいお人柄は
そのような思考が
自ずと身についていることも一因なのだろう

もちろん地域に貢献する医師としての使命感は
根底にあると確信する

・・・と、少し上からの話になってしまった

この病院や
父が最後にお世話になったZ病院

療養病床で医療依存度の高い
手間もかかる寝たきりの患者を
長期に受け入れていても
病院経営が成り立つのには
一種のからくりがあるのではないか?

あ、そうか!と思ったのは
私がZ病院でばね指の手術をしたときのことであった
(医療の素人の考えなので
そこは真正面から受け取らないで頂けると助かります)

つづく・・・
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