老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

療養病床は儲からない?・3

#60 療養病床は儲からない?・3

つづきです
prodigykerokero.hatenablog.com


右手の人差し指が曲がったままで動かない
ばね指、指の腱鞘炎のようなものらしい
PCは、打てない事もないが
痛みが走る
スマホを触っても痛い
箸やペンは持てない

手術をすることにした

「手術は日帰り入院扱いになります
午後2時からの手術になりますが
当日は午前9時に病院に来てください
まず、抗生剤の点滴から始めます

お昼ご飯は、手術が終わってからになります」

お腹が空くじゃん・・・

ネットで調べてみたが
そんなに長くかかる手術でもなさそうなのに
なぜ朝から来ないといけないのだろう?

手術をした人のブログなどをみても
一日入院の人は居ない様子
かかったお金は
3割負担で8000円~10000円とある

点滴を済ませて
手術が始まった

手術前の手術室には
私の他に看護師が2人
一人は年配、もう一人は若い

年配の看護師が、手術室の隅にある器具を見て

「ねえ、わたし、これの使い方よくわからないのよねー」

暢気なものである笑
一抹の不安を覚えながらも
気分はまな板の上の鯉

悶絶するような痛みの麻酔を
手のひらに打たれる

「痛い!痛い!ナニコレ、痛い!」
痛い!を100回くらい叫んでしまったような痛さ
あれはもう嫌だ

しかし、そのあとに
もっと悶絶する事が起きるとは
その時は予想も出来なかったのである

手術が終わった
右手は、骨折した人のように肩から
釣られている
全く使えない

病室に戻り
左手でスプーンを使い遅い昼食

その後、同じ病院の療養病床にいる
父の所へ行く

「お父さん、ばね指になっちゃって
手術してきたんだよ
右手、全く使えないんだ」

父の目がどの位見えているのか
まったくわからない
ただ、こちらの言っている事はわかると信じたい

父との面会を終えて
病院で会計を済ませる

そこで目を疑った

え?高すぎる???

はっきりとは覚えてないが
5万円弱だったと記憶している

勿論そんなに現金は持ってない
でもよく考えたら
財布からお金を
スムーズに取り出すことができないのだ
病院の人に財布からカードを取り出してもらい

カードで支払った

高いからと言って文句を言うつもりはない

あー、そうか
どこかで儲ける仕組みをつくっておかないと
療養病床の赤字を
または収益が出ない部分を補うことは出来ないのかな

そういえば父が最初にB市で入院したX病院
古くからある整形外科病院

療養病床のある建物は
元々の病院の建物なので、とても古い
新しい建物の本院には
現在は整形外科以外の科も設置して
地域の中核の病院にもなっている

療養病床に経費がかからない
または、本院での儲けがあるから
療養に長期間患者を受け入れる事ができるのか?

医療の素人の視点なので
詳細な突っ込みはしないでくださいね

どうして3か月で追い出されるのか?という謎は
比較的簡単に解けたが
なぜ、追い出されない病院があるか?というのが
よくわからなかった

「医は仁術」とはいえ
仁術だけでは人は救えない
医は算術と言われるのもわかる

特に父のように寝たきりの患者は
看護にも手間がかかり
お金もかかる
胃ろうをしていると特に

寝たきりの高齢者には風当たりが強いのもわかる
高齢者の医療費が社会保障費を圧迫しているとの
世論が沸き上がるのも理解できる

ただね、家族にとっては
生きていて、そこに居てくれるだけで
心の支えになるのだ
たとえ延命治療で
近い将来お別れがくることがわかっていようとも

特に私のように
一人っ子で両親同時に倒れて
両方、同時に亡くなってしまったら
もう半狂乱になりそうだったから

父の命をつないでくださった医療関係のみなさま
本当にありがとうございました

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