老親と700キロ離れた一人っ子に起きたリアル(莉音)

一人っ子、遠方の両親が同時に倒れた。終末期医療・介護・死後事務・成年後見・「負」動産処分など。精神面や金銭面の話も書いていきます。時々脱線。どなたかの心に届きますように…

悲しみを超える新たな始まり

手術はしないことにした。
・・・・・

お父さんが私をここに呼んだんだ、お母さんの最期を看取りなさいと。

もし私がB市に戻ったあとで母が倒れたら、
母が倒れるのが一日でも遅かったら・・・・
母は孤独死するしかなかった。マンションの一室で。

父があの日倒れたことで、私はA市に朝一の電車で駆けつけたのだ。
しかしそれが、父を看病するためではなく、実は母を看取るためだったとは・・・

最初の日記にも書いたように、その3年後、父が旅立った日は私の仕事が一段落したタイミング。
父には恨みつらみもあった私だが、最期まで私の事を考えてくれていたんだ。
親って凄いな。

母はCCUに運ばれた。もう死ぬのだ、夕方まで生きていた人が・・・
Oさんと深夜の病棟で看護師から入院の説明を受ける。
タクシーで一緒に帰宅。深夜2時過ぎだったかと思う。

母はもう死ぬ・・・
「これ、捨てないとね」と母がまとめていた燃えないゴミ、古い調理器具を、燃えないゴミ捨て場に捨てに行った。
深夜3時なのに。そして洗面所の母のものも捨てている自分がいた。
何かしていないと気が狂いそうだった。

ほとんど徹夜で過ごした。
翌朝、職場へ「しばらく戻れない」と連絡。
夫にも状況を説明。

この状況だけでも気が狂いそうに悲しいのに、
これからどうしたらいいのか、普通では居られないのに、
一番近くに居る人に寄り添ってもらいたいのに、
それなのに、
この日から、
親が死んだ悲しみよりも、
もっともっと思いもよらない、心がえぐられるような日々が始まった。